超強力永久磁石を用いた強磁場によるビームの集束、偏向

 永久磁石による強力四極磁石はハールバッハによる方向性希土類磁石を円周上に磁
化の方向を回転して配列したハールバッハ型磁石に帰着する。
放医研の熊田らは2001年4月、希土類系磁石材料で住友特殊金属の発明である残
留磁場Brが1.2Tであるネオマックスを用いて小型二極磁石の原理実証モデル器にお
いて、それまでの記録を大幅に更新する4.45Tを実現した(放医研-熊田、住友特
金-幸田、特許申請中)。
この結果は、国内の新聞や加速器の専門誌、CERN Courier2001年、9月号にも取り
上げられ、同年のいくつかの加速器の国際会議(Particle Accelerator Conference, 
Asian particle Accelerator Conference, International Magnet Technology 
Conference) をとおして国内および海外からの反響を読んだ。この実証モデル器は
ハールバッハ型磁石をさらに発展させたもので、飽和鉄の効果を積極的に利用すると
いう従来の磁石の磁石設計の磁石設計の常識の盲点をつくものであった。さらにこの
磁石を低温状態にすることで大幅な磁力向上が可能であることを二極磁石で世界で初
めて実証した。
このメカニズムは二極磁石のみならず、四極磁石を含む多極磁石、ウイグラー、アン
ジュレーター、サイクロトロン磁石そしてソレノイドにも応用可能である。さらに超
伝導磁石、電磁石と組み合わせたあらたな磁石を考案することも可能である(放医研
-熊田、京大-岩下、特許申請中、snowmass2001ワークショップで提案)。さらに放医
研の熊田らは2001年10月実験的にこのアイデアがうまくいくことを実証し、
ビームの通る領域で3Tの高磁場において、鉄芯をつかった磁石でも、永久磁石の効果
で磁場が飽和の影響をほとんど受けないことを示した。このような高い磁場強度の領
域で鉄の飽和の問題が解決されたのは磁石の歴史上はじめてのことである。
このような超強力な永久磁石を用いた強磁場によるビームの集束、偏向への応用を研
究している。
 


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